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彼岸とは?意味や由来、正しい供養方法を解説

彼岸とは?意味や由来、正しい供養方法を解説

彼岸は春と秋の年2回訪れる、日本の伝統的な仏教行事です。しかし、「お墓参りをする時期」という認識はあっても、その意味や由来について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、彼岸の本来の意味や歴史、正しい供養の方法について分かりやすく解説します。ご先祖様を大切にする心を育みながら、改めて彼岸の意義を考えてみましょう。

1 彼岸とは?その意味と重要性

1-1 彼岸の由来と仏教の教え
   仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界を「彼岸」(ひがん)
 といい、その反対側の迷いや煩悩に満ちた私たちが生きている世界を「此
 岸」(しがん)と言います。
  「彼岸」は西に、「此岸」は東にあるとされ、太陽が真東から昇って真
 西に沈む春分と秋分は、彼岸と此岸がもっとも近づく日とされています。
  彼岸の極楽浄土は西方浄土と言い、春分の日と秋分の日は人々と娯楽浄
 土が最も近く通じやすくなると言われ、彼岸は現生と極楽浄土を結ぶ特別
 な時期であるとされました。

1-2 彼岸の期間と行事の流れ
  春彼岸は 3月17日から3月23日まで
  秋彼岸は 9月20日から9月26日まで
 で、彼岸期間の祝日(春分の日、秋分の日)にお寺の境内や本堂などで法
 要を行うところもあります。

供養は聖光寺にお任せください

2 遺族が果たすべき役割とは?

2-1 供養の心構えと実践方法
  「供養」に特別の作法があるわけでもなく、高価な供物を捧げて飾り
 つける必要もありません。
  「供養」とはご先祖様やお世話になった故人を忘れないことです。
  私たちは、多くの方々を亡くしてきましたが、残された方々を励まし、
 助け合い、支えあう場面を多く見てきました。
  亡き人の想いや願いが生きている私たちにと共に生き続けていること
 を感じる時が、まさに「供養」を実践している時といえるでしょう。

2-2 お墓参りの作法と準備すべきもの
お墓参りについては、「お墓参りに行ってはいけない日」や「霊が
  付いてくるから行かない方がいい」、「墓石に水をかけない方がい
  い」など、多くの逸話があります。
   実は、お墓参りにこれと言った作法があるわけではないですが、お
墓に行かれた時には墓石や周りの掃除をしてきれいになったお墓の前
  で、手を合わせご先祖様やお世話になった故人に感謝するという気持
  ちで行かれた方が良いと思います。
  ご先祖様やお世話になった故人の冥福を祈る必要はありません。
  ご先祖様やお世話になった故人は、いつも私たちを見守ってくれてお
 り、眠ってなんかいないからです。
  まさに「千の風」の詩の内容そのものなのですから・・・。
  お供えした果物やお菓子は必ず持ち帰ってくださいね。

3 彼岸に行う供養の種類

3-1 お墓参りだけではない、供養の形
  彼岸のお参りは、お墓参りだけでありません、
  先祖の納骨をお願いしているお寺や、菩提寺の境内や本堂で行われる
 「合同の法要」や、ご自宅に僧侶をお招きして行う「個別な法要」もあ
 ります。
  合同の法要は、檀家様のご自宅にハガキや手紙で事前に連絡をしてく
 れるお寺もあります。

3-2 自宅でできる彼岸供養(読経・お供え)
  彼岸には、菩提寺のご住職をお招きして読経をしていただくという
 のが自宅でできる供養かと思いますが、必ずお寺様をお招きしなけれ
 ばいけないということではなく、1人1人が彼岸の意味を考えながら、
 ご先祖様やお世話になった故人に手を合わせて感謝する気持ちが大切
 です。
  お供えの品は何が良いかなど気にする必要は全くありません。

4 お寺からのお知らせをチェックする重要性

4-1 法要や行事の案内を活用する
  お寺の法要や行事ごとには積極的に参加しましょう。
  お寺に来られる人の中には多くの悩みや迷いを抱えている方々
 や、反対にお寺の行事などを通じて克服された方々も多くいらっ
 しゃいます。
  お寺は煩悩や苦悩に満ち溢れた世界の中で身も心も疲れ果て、
 悩まれている方々が、その迷いから解放され、命の大切さをあら
 ためて感じることができる場所でもあるのです。
  お寺は多くの方々との「ご縁」で結ばれています。
  その日初めてお会いした方から励まされることもあるのです。
  その「ご縁」は、ご先祖様が貴方に結びつけて下さったもので
 す。
  ご住職の法話を聞くのもまた良いことですよ。
 
4-2 お寺とのつながりを深めるメリット
  お寺の行事ごとのご案内が届いたら、お寺様に「何か手伝うこと
 はないですか」と尋ねてみましょう。
  人見知りで引っ込み思案の方が、お寺の行事を通じて積極的に会
 話されるようになり、行事ごとのリーダーになられたという話もあ
 ります。
  もともと、お寺は地域のコニュニティーの場所であり、地域の方
 々が自然と集まって、何か問題が発生したら話し合って解決に導く
 場所でもあったのです。
  花まつり、盆踊り、彼岸法要などお寺の行事には参加してくださ
 い。
  必ず、ご先祖様からの温かい贈り物が心の中に届くはずです。 

5 若い世代に伝える供養の大切さ

 「供養」とはご先祖様やお世話になった故人に感謝する行為と
説明していましたが、私たちはこの「供養」の気持ちを若い世代
に伝える責任があります。
 しかし、「どう伝えたらいいのかわかりません」と思われてい
る方も多いことでしょう。伝え方は簡単、私たちの姿を見せれば
いいのです。
 ご先祖様の誰か一人が違っていれば、今ここにいる自分は存在
しないのですから・・・。
 ご先祖様の1人が違う方と結婚していれば違う結果となるのは
当然なことなのです。
 お釈迦さまは、「今ここに貴方がいる確率は、大海の底にいる
盲目のカメが100年に1度息を吸うために浮上した際、たまた
ま浮いている穴の開いた木片の穴にカメの頭が入る確立よりも低
いのだ」と言われています。
 それくらいの低い確率で生まれてきたのが私たちなのです。
 若い世代から「何の為に生まれてきたのか。生まれなかったら
よかった」と言われた際には「次の世代に命を繋ぐために特別に
生まれてきたのですから、最後まで生きる責任がありますよ」と
お答えください。
 こうした質問に丁寧に答えてあげるのも「供養」なのかもしれ
ません。