御朱印帳を守る冬対策 ― カビ・劣化を防ぐ保管術

冬は外気温が低い一方で、室内は暖房で温かくなりがちです。この「急激な温度差」が結露を発生させ、御朱印帳の紙が水分を吸って波打つ原因になります。特に蛇腹式の御朱印帳は和紙が重なっているため、湿気を吸いやすく、紙質の劣化が進みやすい特徴があります。

また、外から帰ってすぐに温かい部屋に置くと、御朱印帳表面にうっすら水滴が付くこともあります。この水分が乾く過程で紙の繊維が変形し、ヨレの原因になることがあります。

「冬は乾燥しているからカビは生えない」と思われがちですが、実は冬もカビのリスクがあります。
大きな理由は以下の3つです。

室内外の温度差で湿度が高くなる

加湿器や部屋干しなどで室内湿度が上がる

押し入れや本棚の奥は暖房が届かず“湿気がこもる”

御朱印帳は紙と布でできており、湿気を吸いやすい素材です。暖房と加湿器を使う家庭では、カビのリスクが意外と高くなるため注意が必要です。

御朱印帳の保管に適した条件は下記です。

温度：15〜25℃

湿度：40〜60％

冬でも暖房が効きすぎて乾燥しすぎたり、逆に加湿器で湿度が70％以上になったりすると、紙が劣化しやすくなります。

避けるべき保管場所は以下の通りです。

窓際（結露の影響を直接受けやすい）

押し入れやクローゼットの奥（湿気がこもる）

玄関（外気温と内気温の差で結露が起きやすい）

直射日光が当たる場所（退色・変色の原因）

“日陰の本棚”や“畳の部屋の低い位置ではなく胸の高さの棚”が比較的安定した環境になります。

御朱印帳は、空気の通りがよく防湿効果の高いケースに入れるのがおすすめです。

不織布ケース（湿気を逃がしつつホコリを防ぐ）

桐箱（調湿性が高く、湿度変化に強い）

プラスチックケース＋乾燥剤（密閉しないタイプがベスト）

また、以下の乾燥剤が効果的です。

シリカゲル

炭タイプの調湿剤

お菓子に入っている乾燥剤（再利用可能）

乾燥剤は1〜2ヶ月に一度交換すると効果が維持できます。

御朱印帳の表紙は布地や和紙など、汚れやすい素材が使われています。冬は外出時の乾燥した空気でホコリが付着しやすいため、帰宅したら柔らかい布で軽く拭くのがおすすめです。

特に注意したいのは、表紙に付いた水滴や雪が溶けた水。
これはカビの原因になりやすく、跡が残るため、表面が濡れたら早めに優しく拭いて乾燥させることが大切です。

冬は寒さでインクが乾きにくく、御朱印をもらってすぐ閉じると“にじみ”の原因になります。

対策は以下の通り。

御朱印をいただいたら最低5分は開いたまま乾かす

和紙の間に薄いトレーシングペーパーをはさむ

寒い場所ではインクが乾くまでの時間が長いと覚えておく

特に筆書きの墨は冬ほど乾きづらいので注意が必要です。

御朱印帳を保護するには、透明カバーや布カバーが便利です。

透明ビニールカバー：汚れ防止に最適

布カバー：デザイン性が高く、摩擦を軽減

防水加工カバー：雪・雨の日の参拝に強い

ただし、完全密閉タイプは湿気がこもりやすいため、冬は避けたほうが無難です。

冬ならではの保管サポートとして、次のアイテムが役立ちます。

調湿シート（本棚に敷くだけで湿度調整）

ミニ除湿機（小型クローゼットに最適）

防虫ブロック（和紙の虫食い対策）

御朱印帳は紙なので、湿気・虫・汚れに弱いという前提で保管アイテムを選びましょう。

もし御朱印帳にカビを発見した場合は、まず落ち着いて以下の手順を行ってください。

外へ持ち出し、乾いた布で軽く表面を払う

完全に乾燥させてから、柔らかいブラシで清掃

カビが広範囲の場合は専門のクリーニングへ相談

無理にこすると紙を傷つけるため注意が必要です。

トラブルを未然に防ぐには、以下の「習慣化」が効果的です。

月に一度、御朱印帳の状態をチェックする

本棚の乾燥剤を入れ替える

使用後は必ず乾いているか確認する

カバンの中に長時間入れたままにしない

特に旅行や参拝後は、知らないうちに湿気が溜まっていることが多いので注意しましょう。